CATEGORY

© ISETAN MITSUKOSHI PROPERTY DESIGN LTD.

STATEMENT

すべては、
ただひとりの一邸のために

私たち「三越伊勢丹プロパティ・デザイン」の源流は、今から遡ること約120年前。日本初の百貨店として誕生した「三越呉服店」が、パリの日本大使館の室内装飾の設計・施工を手がけたことに端を発します。その後、1910年(明治43年)に「三越呉服店」は、家具加工部を設立。同部は、日本が近代化を目指して歩み始めた明治期より洋家具文化を牽引し、建築と装飾をひとつなぎに捉える「建装」という新しい言葉と概念を生み出しました。

1944年には、そのイズムを受け継ぐ木工家具工場「三越製作所」が創立。以来、「三越製作所」は国会議事堂や最高裁判所の洋家具製作や室内装飾をはじめ、新宮殿正殿松の間へ玉座を納入するなど、日本の現代史を象徴するような数多の実績を積み重ねながら、ファイブスターホテルや商業施設などの建装事業、住環境の新築・リノベーション・特注家具製作までを行う弊社の直営木工家具工場として、その礎とフィロソフィを築きました。

その長い歴史の上に存在する、「三越伊勢丹プロパティ・デザイン」が何よりも大切にするのは、お客さま本位の誠実な姿勢です。それは、お客さまのご要望にお応えするだけではなく、まごころに先進的なアイデアを添えて、期待以上の感動と付加価値をもたらす、唯一無二の一邸を創造していくということ。そして、先人の叡智と伝統に息づく革新性を継承し、100年先も誇れる住空間を作り上げていく、不易流行の志に他なりません。

時によって磨き抜かれた美意識と技術、そして先人から受け継いだホスピタリティの精神を“ただひとり”のすべてのお客さまのために。私たち「三越伊勢丹プロパティ・デザイン」は、「三越製作所」をはじめとする国内最高峰の内装技術を持つ職人や美の匠である伝統工芸士、そして世界的な建築家やインテリアデザイナーたちと、暮らしの本質を真摯に見つめながら、時代に左右されない価値を有する、普遍の上質を作り上げていきます。

私たちが
大切にしていること。

「三越伊勢丹プロパティ・デザイン」がものづくりにおいて、
何よりも大切にしている思いを、事例やエピソードとともにご紹介させていただきます。

TRADITION

伝統

私たちのルーツは、1904年(明治37年)。日々翁助がデパートメントストア宣言を発し、日本初の百貨店「三越呉服店」を創業した年に遡ります。同店は、洋家具の取扱いを始めるとともに、研究生をイギリスやニューヨークへと派遣。西洋の室内装飾を学ばせ、顧客の要望に合わせた洋家具を自社で設計・販売できるよう売場創設の準備を進めました。その先見性から、1906年(明治39年)には、パリの日本大使館の室内装飾の設計・施工を受注し、この国家的なプロジェクトを成功させました。その未知なる挑戦を支えたのは、お客さま本位のホスピタリティ。その伝統の精神は、今も私たちの中にしっかりと息づいています。

パリ日本大使館(1908)

INNOVATION

革新

1937年(昭和12年)に「三越家具設計室」に在籍していた城所右文次によってデザインされたバンブーチェア。竹の弾性を利用することで、当時としては珍しいカンチレバー構造を実現した画期的ともいえるこのプロダクトは、近代建築の巨匠ル・コルビュジェの愛弟子であり、日本とも所縁の深い建築家・デザイナー、シャルロット・ペリアンに強い影響を与えたといわれています。弊社はこのチェアを2010年に復刻。城所の先進的な感性によって生まれたモダンデザインの先駆ともいえる作品を、現代の技術によって甦らせました。革新を続けてこそ、伝統は守られる。私たちは、時代に応じて休むことなく挑戦を続けていきます。

バンブーチェア(1937)

TECHNOLOGY

技術

「三越伊勢丹プロパティ・デザイン」のものづくりの根幹を支えるのが、創立110年以上の歴史を誇る「三越製作所」です。日本が生活様式の近代化を目指して歩み進めた時代から、室内装飾と一体となった特注家具から一脚の椅子まで、木取り・組み立て・塗装といったすべての工程を一気通貫で製作。現在は、受け継いできた伝統技術に加え、最先端のテクノロジーも積極的に導入し、家具からアートピースまで、国内外で活躍するデザイナーの高度なリクエストに応えることで、その技をたえず磨き続けています。100年先も誇れる品質を目指して。私たちは、これからも永く愛されるサステナブルなものづくりに励んでいきます。

ishidansu / nendo(2022)

東京H邸(2022)

AESTHETICS

美意識

世界的なラグジュアリーブランドのショップから、有名企業の役員室やオフィス、そしてファイブスターホテルなどの内装工事やデザインまで。私たち「三越伊勢丹プロパティ・デザイン」は、企画・デザイン設計、品質・予算管理、そして特注家具の製作や施工といったすべての工程をトータルでプロデュースすることで、高品質かつ上質な空間づくりを行なっています。そんな私たちのものづくりの背骨となっているのが、建築と装飾をひとつなぎに捉える「建装」という美意識。先人によって生み出された独自の概念と長い歴史の中で積み重ねてきた数多の経験が、私たちの日々のものづくりを支えています。

パークハイアットニセコHANAZONO(2019)

エースホテル京都(2020)

INHERITANCE

継承

建物の歴史を後世へとつなぐのは、その場所に託された思いもつなぐこと。誰よりも歴史の重みを知る人間だからこそできる仕事がある。そんな思いを胸に、私たちは日本の建築史に燦然と輝く、歴史的建造物の再生事業や家具修復も行っています。例えば、英国の建築家、ジョサイア・コンドルによって設計された明治・大正期を代表する西洋建築の傑作「綱町三井倶楽部」で大切に受け継がれてきた“神殿の椅子”の復元など。その仕事の本当の評価が下されるのは、もう少し先の未来なのかもしれません。

綱町三井倶楽部(2017)