先輩社員に訊く 住環境事業 <リノベーション>
リノベーション事業の中で私が担当しているのは、主に個人のお客さま向けのご自宅リフォームやお客さまの所有されている店舗のリノベーションになります。肩書きは営業ですが、リノベーション担当は、設計、提案、施工、お引き渡しまで、一連の流れを全て自分で見ていきます。個人のお客さまですから、その方によってご希望も違いますし、建物の構造も違います。それぞれのお客さまのご予算とご要望に沿ったご提案ができるよう工夫するのは大変な作業ですが、お客さまの反応を直に感じることができるのはこの仕事のやりがいのひとつ。物件が完成してお引き渡しする時のお客さまの笑顔に触れ、感謝の言葉をいただいたりすると、しっかり仕事ができてよかったと大きな喜びがあります。
リノベーション事業では、JAPAN LUX(ジャパンラグジュアリー)という、伝統技術とのコラボレーションにも取り組んでいます。伝統技術=年配の方の持ち物と思われがちですが、様々なものと組み合わせることで、そこに新たな価値を生み出すことができます。先日、富山県の伝統技術とキッチンメーカーさんのコラボを企画し、実際に製作したキッチンを伊勢丹新宿店に展示させていただいたところ、たくさんの方が関心を持ってくださいました。こうした取り組みを続けることで、既存のお客さまだけでなく、新たなお客さまにも伝統の技のすごさや価値が広まるきっかけになっていけばと思っています。また、伝統の技という点では、当社の三越製作所にも新たな展開がありました。ファッションデザイナーの久保嘉男さんとご縁があり、職人さんたちが作業する製作所がそのままファッションショーの会場になったのです。撮影された映像は実際にパリコレで配信されました。本当にいいものを発信すれば、その先に伝わっていく。私にとっても心強く感じる出来事になりました。
とても細かい部分ですが、お客さまにとっては気にならないところにも気を配り、先んじて仕上げてからお客さまにお届けする。これが私の考える「納まり」です。例えば、机の四隅が角ばっていると万が一ぶつかった時に危険ですが、最初から角を落として丸みをつけてお届けすれば、安心ですよね。お客さまからご要望がなくても、生活される上で危険に思うこと、不安に思うことを予測して、お引き渡しの前に処理をする。この細やかな気配りが、当社が守り続けてきた品質なのだと思います。100余年の歴史にプレッシャーを感じることもありますが、職人さんたちが1ミリ単位で調整する過程を見ていると、自分の仕事も丁寧に、お客さまのご要望も聞き逃さず1つずつしっかりこなしていかなくてはと、改めて気づかされる思いがします。
プロフィール
積算見積もり担当を1年経験した後、リフォーム担当としてモデルルームのインテリアコーディネートを2年間手掛ける。そして住環境営業部の新設に伴い、リノベーション担当として現職に。「大学時代は商業施設に興味がありましたが、お客さまとダイレクトにお話できる個人向けの仕事も素晴らしいと感じています」と、今の仕事への思いを話す。