先輩社員に訊く 建装事業<製作管理>
現場管理(製作管理)の仕事は、ものづくりの「品質」「安全」「工程」「コスト」という4つの要素を管理しながら、工事をコントロールしていくことです。現場には塗装をする人、クロスを貼る人など、1日に100名を超える職人さんが集まり、様々な作業をします。自分の指示が直接職人さんたちの作業に直結しますし、当然それが品質やコストなどにもつながるので責任は重大です。しかも職人さんの中には40歳も50歳も年上という方が多く、知識も経験も確実に私より豊富です。それでも立場的に皆を管理していく形になるところにこの仕事の難しさを感じます。実際、現場では一人では何もできません。一人ひとりが共にプロジェクトに取り組んでいる仲間であることを常に意識し、上下のない人間関係を心がけています。
現場作業では、判断や求められる場面が次々に出てくるものです。管理する立場として「決断」することは、とても重要な仕事なのです。いろいろな課題に取り組む時、どう解決するかをしっかり判断できるようになるにはやはり経験も必要でした。
ただ当社は、何かやろうとしていることを頭ごなしに止めさせることはなく、「まずは、やりたいようにやってみて」という社風です。入社後数年で億を超えるような契約を任されたりします。こういう一つひとつの経験が自分自身を成長させてくれます。また、依頼される物件も、地方の別荘や都内の有名企業の役員フロアといった通常では経験できないような非日常の空間が多いのです。金箔の壁・天井や高層フロアに和室を設えるというご相談もありました。
作ったものが建築雑誌に載せられないのは残念ですが出来上がったものには誇りを感じます。大学の仲間の多くはゼネコンに就職しましたが自分のほうが断然面白いことやっていると感じています。
ホテルの内装を作っている場合に、すぐに目に飛び込んでくる平らな壁面はきれいで当たり前です。そういう場所ではなく、例えば壁と床、壁と天井が取り合う(つながる)ところといった、あまり目のいかないような場所についても、どうすればきれいに仕上がるかを考える。それが当社の提供する品質であり、「納める」ということだと思います。
ものが取り合うところには全て「納まり」が生じます。それらをきれいに、お客さまに満足していただけるように、安全を担保しつつ仕上げていくことが、私たちにいちばん求められているところでもあります。
また、きれいに「納める」には、現場でその都度判断するというよりも、現場に入る前段階の準備が大切です。「段取り7割」と言いますが、当社には現場経験や知識の豊かな方たちがたくさんいますから、相談しながらしっかり段取りできるところも強みだと思います。